設立の趣旨および経過・目的および事業
設立の趣旨および経過
我が国のオーケストラ運動は、明治時代に西洋文化をとり入れた時期にその端を発し、諸先達の情熱と努力によって受け継がれてきたが、今や全国で40団体のプロ・オーケストラが年間3900回以上の公演を行うようになった。
大戦後、社会の安定とともに日本では文化国家としての再出発の気運が高まり、日本各地に続々とプロ・オーケストラが誕生した。文部省に新たに文化庁が設置され、プロ・オーケストラに対する事業助成が開始されると、在京ならびに地方都市のオーケストラ活動は一層活発になった。
東京では1964年に「東京オーケストラクラブ」が結成され、1978年に「日本交響楽団連絡会議」と改組して、オーケストラ運営に関する諸問題について意見交換をするようになり、東京以外の都市で活動するオーケストラの間では1972年に「地方交響楽団連盟」が設立され、以来両団体は相互に交流を深めてきた。1989年の両団体合同会議の場で「全日本オーケストラ連盟」結成が全員一致で決定されたのを受け、1990年7月、18団体の交響楽団の役員が理事に就任する「日本オーケストラ連盟」が長岡實理事長のもと、任意団体として発足した。
以後、プロ・オーケストラの運営に関する調査研究、交響楽に係る人材育成、国際交流など、公益性の高い事業を進めており、その実績が認められて、1995年1月31日、文部科学省(文化庁)より社団法人日本オーケストラ連盟の設立が許可された。2012年8月公益社団法人へ移行。
1997年11月にはアジアで初めてのオーケストラ運営者の国際会議“オーケストラサミット・イン・ジャパン”を主催したり、アートマネジメントに関するセミナーや、音楽教育の新しいあり方を探る“ワークショップ”のシリーズなどを実施している。2000年からは『現代日本オーケストラ名曲の夕べ』を毎年開催し、2002年からは文化庁より委嘱されてアジア太平洋地域からオーケストラを招く『アジア オーケストラ ウィーク』の制作にあたるなど、公益社団法人日本オーケストラ連盟はクラシック音楽の現代社会における重要性を確信し、その向上・発展のため活発な活動を続けている。
目的および事業
目的
この法人は、我が国のオーケストラの芸術的及び技術的な向上を目指すプロフェッショナル・オーケストラによる交響管弦楽の振興と普及を図り、心豊かで持続的な社会への貢献と我が国文化芸術の向上発展に寄与することを目的とする。
事業
この法人は上記の目的を達成するために、次の事業を行う。
- 交響管弦楽及びオーケストラに関する調査研究、資料及び情報の収集並びに情報の共有
- 交響管弦楽の振興と普及のための公演及び講習会等の企画・開催
- 青少年に対する交響管弦楽の普及
- 交響管弦楽に関する国際交流
- 音楽を通じて人々の健康で心豊かな暮らしに寄与しうる事業
- その他この法人の目的を達成するために必要な事業
事業は日本及び海外において行うものとする。
事業を実施するに際しては、地球環境及び人間社会の持続可能性への配慮を心掛けるものとする。
*「公益社団法人 日本オーケストラ連盟」定款より