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令和4年度文化庁予算

 令和4年度文化庁予算    | オケ連ニュース | 公益社団法人 日本オーケストラ連盟

 昨年の12 月24 日、政府は令和4 年度の予算を閣議決定し、その後戦後2 番目の速さで2 月22 日に衆議院を通過、年度内の成立が確実になった。文化庁予算は令和3年度予算1,075 億円と比べて僅か0.1%増の1,076 億円となった。一方コロナ対策としての令和3 年度補正予算には905 億円が決定している。通常予算でオーケストラの活動に関係のある主な内容は以下の通り。

1. 「舞台芸術創造活性化事業」 3,338 百万円

 来年度は今年度と同額の3,338 百万円。この予算は我が国芸術団体の水準の向上と、より多くの国民に対する優れた舞台芸術機会の提供を図るためのものとして、オーケストラの定期演奏会を中心とする、芸術的価値の高い演奏会に助成しているもの。芸術団体であるオーケストラにとっては極めて意味のある重要な予算であることは変わらない。一方、国からのもう一つの大きな支援である「芸術文化振興基金」からの助成が年々減額される方向にある中、またオーケストラなど芸術団体に求められるものが多様化していく中で、現状維持の予算はある意味では減額になっているとも考えられる。

2. 「文化芸術による子供育成推進事業」5,545 百万円

 多少の内容の組み換えもあり、新規事業扱いになっているため単純な比較はできないが、内容的にはほぼ今年度と同様と考えられる。(今年度の「文化芸術による子供育成総合事業」は5,507 百万円)
 来年度の巡回公演目標は合同開催事業も含め1,950 公演。今年度は巡回公演目標は2,040 公演。オーケストラ全体では近年、中規模あるいは小規模の公演が増加している。
 限られた予算で、多くの公演を行うことを考えれば有効と考えられる。また地方における少子化の影響などにより、学校の規模が小さくなっていることも影響していると考えられる。

3. 「戦略的芸術文化創造推進事業」 502 百万円

 今年度の585 百万円から若干の減額になっているが、これは一部が国立施設支援でまかなわれるとのこと。令和3 年度はオペラ、バレエ団体がこの助成を利用している。オーケストラでは読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団。

4. 「障害者による文化芸術活動推進事業」391 百万円

 今年度に比べて約15 百万円の増額。共生社会の実現のために障害者による文化芸術活動を支援するもの。劇団、障害者施設、劇場関係の団体がこの助成を活用しているが、オーケストラでは新日本フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団がこの助成を活用している。

5. 「国際交流芸術支援事業」  476 百万円

 プロフェッショナルな芸術団体が行う,海外公演,その他海外からの招聘を伴うフェスティバルなどを対象としたもの。この2 年間新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、利用が少なかったものと考えられるが、来年度からはオーケストラの海外公演も含めぜひ活用できることを期待する予算である。

2022年3月31日発行
「日本オーケストラ連盟ニュース vol.107 38 ORCHESTRAS」より