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令和5年度アフィニス文化財団の助成内容が決定
公益財団法人アフィニス文化財団(理事長涌井洋治)は日本の音楽文化の発展を願い「アフィニス オーケストラ助成」として、日本国内のプロフェッショナル・オーケストラの主催による演奏会に支援している。この度2023年度の助成内容が発表された。
「音楽の担い手としてのプロ・オーケストラが主催するわが国ならびに各楽団が活動の重点を置いている地域にとって意義ある企画」への助成である「アフィニス・エンブレム」には東京交響楽団(指揮:ジョナサン・ノット)によるR.シュトラウスの歌劇「エレクトラ」(演奏会形式)、大阪フィルハーモニー交響楽団(指揮:尾高忠明)による「メンデルスゾーンへの旅」(全4企画)、中部フィルハーモニー交響楽団の「北欧シリーズ」(全3企画)をはじめとする6団体が選ばれた。合計助成金額2,200万円。
「アフィニス・エンブレム」で申請された企画のうち、エンブレムに準じた企画として新たに設けられた「アフィニス・メダイユ」に群馬交響楽団によるメシアンのトゥランガリラ交響曲(指揮:高健)、ハインツ・ホリガー指揮による札幌交響楽団と名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会など9団体が選ばれ、合計助成額は900
万円。
また、「楽団としての成長、発展を目指して企画される意欲的な企画」への助成である「アフィニス・エチケット」には NHK 交響楽団(指揮:ライアン・ウィグルワース)による「Music Tomorrow2023」、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、九州交響楽団の3つのオーケストラでそれぞれ開催されるR. シュトラウスの歌劇「サロメ」(演奏会形式、指揮:いずれも沼尻竜典)など15団体20プログラムが選ばれた。こちらの合計助成金額は1,000万円。
表彰・受賞
令和4年度(第7回)文化庁芸術祭音楽部門の大賞に読売日本交響楽団
令和4年度(第77回)文化庁芸術祭の音楽部門大賞を、読売日本交響楽団が受賞した。受賞対象は、2022年10月25日(火)サントリーホールにて開催された、桂冠指揮者のシルヴァン・カンブルランと、ヴァイオリンの成田達輝、三味線の本條秀慈郎をソリストに迎えて開催した「第622回定期演奏会」。大賞の贈賞理由は「桂冠指揮者シルヴァン・カンブルランが登場した本公演は、ドビュッシー2曲、巨大編成のヴァレーズ、10月に急逝した一柳慧の新作『ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲』と20世紀から今日までを繋ぐ意欲的な選曲が光った。厳格さと洗練を備えた指揮で、明晰かつ色彩感豊かな音楽を作り上げ、特にヴァレーズ『アルカナ』の多彩な音響を緻密にコントロールした演奏は圧巻であった。」としたもの。読響は過去の芸術祭において、昭和43年度に芸術祭賞(若杉弘指揮ペンデレツキ「ルカ受難曲」)、平成12年度に優秀賞(G・アルブレヒト指揮グルリット「ヴォツェック」)、平成20年度に優秀賞(下野竜也指揮ヒンデミット「前庭に最後のライラックが咲いたとき」)を受賞している。
文化庁は参加公演・参加作品の募集および贈賞については、今年度(令和4年度)をもって終了とし、来年度(令和5年度)以降は、優れた芸術文化活動を行う個人を顕彰する制度をより充実させる方向で検討すると発表している。
第21回斎藤秀雄メモリアル基金賞にチェリストの上野通明さん、指揮者の沖澤のどかさん
第21回(2022年度)齋藤秀雄メモリアル基金賞のチェロ部門の受賞者に上野通明さん、指揮部門に沖澤のどかさんが選ばれた。賞金は
各500万円。本賞は故齋藤秀雄に因んで、音楽芸術文化の発展に貢献し、将来一層の活躍が期待される、若手チェリスト、指揮者に授与される。上野さんは1995年パラグアイで生まれ、幼少期をスペインのバルセロナで過ごす。桐朋学園大学ソリストディプロマコース全額免除特待生として毛利伯郎に師事。2015年渡独、デュッセルドルフ音楽大学ドイツ国家演奏家資格を満場一致の最高点で取得、2021年からはベルギーのエリザベート音楽院にも在籍。さらなる研修を積みながら、主にヨーロッパと日本で演奏活動を行っている。2021年ジュネーブ国際コンクール・チェロ部門で優勝。沖澤のどかさんは1987年青森生まれ。東京藝術大学では高関健と尾高忠明に師事、大学院終了後、2019年にはハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで修士号を取得。2018年に東京国際音楽コンクール<指揮>で、2019年にはブザンソン指揮者コンクールでいずれも1位に輝いた。2020年~ 2022年はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のカラヤン・アカデミー奨学生となり、音楽監督のキリル・ペトレンコの助手を務めた。2023年4月より、京都市交響楽団の第14代常任指揮者に就任する。
第30回(2022年度)渡邉曉雄音楽基金音楽賞に太田 弦さん、特別賞に飯守泰次郎さん
第30回(2022年度)渡邉曉雄音楽基金音楽賞に太田 弦さん、特別賞に飯守泰次郎さんが選出された。渡邉曉雄音楽基金音楽賞・特別賞は次代の音楽界を担う優秀な指揮者、およびオーケストラ界に貢献した関係者に贈られるもの。
2023年3月31日発行
「日本オーケストラ連盟ニュース vol.110 38 ORCHESTRAS」より