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オーケストラの国際会議に参加

~26か国から200名が集う~
 オーケストラの国際会議に参加   ~26か国から200名が集う~ | オケ連ニュース | 公益社団法人 日本オーケストラ連盟

 9月6日~8日、ポーランド・ブロツワフ市で開催された国際会議「Orchestras Now! Future Proof」に参加した。26か国から約200名が集った(内訳は下のリストを参照)。会場となった国際音楽フォーラム(NFM)は現地13団体のホームであり、海外からベルリン・フィルやウィーン・フィル、また日本からは東京交響楽団が2016年に訪れ、武満徹「弦楽のためのレクイエム」などを演奏している(同年にブロツワフは欧州文化首都(欧州連合)に選ばれた)。

出席者の業界別、国別内訳

 会議はNFM主催によるもので、元英国オーケストラ連盟事務局長のマーク・ペンバートン氏の呼びかけにより企画された。講演テーマは世代と共に変化する聴衆ニーズの調査発表をはじめ、環境に配慮したツアー公演の姿やコミュニティ活動、そしてウクライナ問題などがあった。

ブロツワフの街

 4日夜に成田を出発した。LOTポーランド航空機に搭乗するとBGMが流れており、14時間後には「英雄ポロネーズ」で見送られた。ワルシャワで乗り継ぎ、目的地である第四の都市に降り立つ。街中に行くと英語表記をあまり見かけない。見かける人々ほとんどが白人だ。中心には美しい広場があり、メルヘンカラーの家々が四方を囲う。背丈30cm程の小人がそこかしこにおり、ATMの足元にいた小人はお金を引き出すような仕草を見せるなど、お茶目な住人たちがいた。

旧市街広場にあるメルヘンカラーの家々.jpg旧市街広場にあるメルヘンカラーの家々

ブロツワフ歌劇場前の小人たち(オペラ歌手とダンサー).jpg
ブロツワフ歌劇場前の小人たち(オペラ歌手とダンサー)

 NFMのナタリア・クリンバジル氏によると、市の人口の3分の1がウクライナ人。母国を逃れた人々をブロツワフの人々が支援している。総会に寄せられたウクライナ議会関係者からのビデオメッセージで「私たちはウクライナのためだけに戦っているのではない、ヒューマニティのために戦っているのです」という力強いメッセージがあり、映像が終わると拍手が鳴り渡った。

総会の様子.JPG国際会議の様子

 最終日のイベントに「The Runners Club」があり、午前7時30分NFMに行った。参加者は一人(つまり私)だったが、案内役のヤンさん(NFMブロツワフ・フィルのフルート奏者)は川沿いを走りながら「アスカ、あそこにあるブロツワフ大学はブラームスの『大学祝典序曲』ゆかりの地だよ」と教えてもらい感激した。昼時にオーケストラ連盟同士による会議があり、業界の担い手不足や連盟が持つべきビジョンについて議論した。この日は私の誕生日であり、そのことを告げると歌をプレゼントしてくれた。この時のメンバーで近々オンライン会議をすべく、現在準備を進めている。今回の国際会議で得られた知見は、後日加盟オーケストラに共有する予定である。

日本オーケストラ連盟 沖汐明日香

2023年11月30日発行
「日本オーケストラ連盟ニュース vol.112 40 ORCHESTRAS」より